第3回 新いけばな主義
Contemporary IKEBANA ism Ⅲ
主催 これからのいけばなを考える会
会期 2021年7月14日(水)〜18日(日)
会場 神奈川県民ホールギャラリー
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出品者
はじめに
「今のいけばな界は“ゼロ”だから」
ある美術評論家がバッサリと切り棄てたそのひと言からこのイベントが始った。そして元日本郵船の倉庫であったBankART 横浜こそその舞台相応しいとの想いもあって、当初そのイベントには「いけばなBankART 2017」という仮称がつけられていた。
しかしやがて、この活動は2回、3回と繋いでいくことに意義があるのだからと、場に縛られるタイトルを再考し、『新いけばな主義』というタイトルに全員一致で決まった。
そんな『新いけばな主義』についてよく訊かれる。新というのは古きを棄てることなのか?主義というからには団体としての統一理念があるべきで、それは何であるのか?と。
おそらく実行委員の誰もがこう答えるだろう。新とは「オリジナル」なんだと。主義とは「個人主義」なんだと。『新いけばな主義』はそれぞれの主義を主張し合う場なのである。
また第2回展からではあるが、『新いけばな主義』は出品者の肩書きに流派名をつけることを廃することにした。作品に対する全責任を製作者個人が背負い込む覚悟の表明でもあり、もっと言えば出品者は業界に限られる者では決してないからでもある。
これは故下田尚利先生より教え諭された言葉でもあり、私たちに遺された覚悟の踏み絵ともなった。
要するに『新いけばな主義』とは、そういうエゴイストたちが己れの花をいけることにより共鳴し合うその場限りのセッションなのである。